sga8512010-08-30

いろいろだらけている間に夏休みの時期もぼちぼち終了であります・・・


まあ世間は夏休みでもこちらは普通に仕事があったりするわけでありますが。その間をぬって花火をしたり花火を見たり映画を見たりしておりました


先週水曜日は若者の街、渋谷にて「ブリューゲル版画展」を見に行ってまいりました
実はブリューゲル氏のことなどろくに知らないのですが、たまたま見かけたポスターに水木しげる杉浦茂が書きそうなヘンテコな生き物がたくさん描かれていまして。そいつについ引き寄せられてついつい足を伸ばしてしまいました


風景画や当時の農民の生活を描いた作品もいろいろあったのですが、メインは宗教関係の絵が多かったです。ポスターにあった「へんないきもの」、あれ実はブリューゲル氏がイメージした悪魔とか、人の罪深い性向を絵に表したものだったのですね
そんな風に作品には高尚なメッセージがこめられているのですが、あまり「ああ、もっと立派な人間にならなきゃな」とは思いませんでした(笑)
ただ単純に、ぶっとんだ作風が楽しく、描かれている妖怪?が面白い
たぶんブリューゲルさんもへんてこな悪魔をたくさん書くのが楽しくてたまらなかったんではないかな。愛情がなければここまで多彩には描けないと思います


その日はついでにベルギーのコメディ映画『ルンバ!』『アイスバーグ!』(同時上映)を見てきました
アイスバーグ!』は冷凍庫に閉じ込められた主婦が、なぜか氷山にとりつかれてしまう話。『ルンバ!』はダンス好きの夫婦が次から次へと不幸に見舞われる話
コメディと言っても全体的にとても静かで、セリフもとても少なめ。このユーモアセンスはちょっと人を選ぶかと思いますが、個人的にはなかなかツボにはまりました。「すぐ近くにいるのにどうしてか気がつかない」というギャグが多かったです
絵本のような色彩感覚や、遊び心に満ちた構図作りにも楽しませてもらいました


あとついでに最近見た映画(アニメばっかし)の簡単な感想を


『カラフル』
 罪を犯して死んだ「ボク」は、神様?の粋なはからいにより、「小林真」という自殺を図った少年の人生を半年間ひきつぐことになる・・・というお話
いや、これ良かったっす・・・ 恥ずかしい話ですが37の男が映画館で「うぐえおごあ」と声を漏らして泣きそうになりました(笑)
地味といえば地味な話なんですけど、「ボク」の孤独で傷つきやすい心理描写が、いちいちわたしの中の中二魂を刺激するもんですから、上映中ずっと身もだえしながら鑑賞しておりました(不気味だ・・・)
「ボク」の心の移り変わりとともに、周りの景色や様々な食べ物がなんと輝き出して見えることか。この作品をあえてアニメでやった意味は、そこにこそあります。今年見た中で一番感動した作品


ヒックとドラゴン
架空の北欧を舞台に、村を襲うドラゴンと非力なバイキングの少年の友情を描いたお話
ドラゴンといえば普通はブルース・リーを思い出すものですが、この作品には本当に多種多様なドラゴンが出てきて目を楽しませてくれます
主人公のヒックのパートナーとなるトゥースはかなり猫っぽくて、ドラゴンというよりドラネゴンという感じ。猫好きにはたまりませんです
ちょっとネタバレしてすいませんが、ラストで金具と金具がカチッとはまるシーン。一人と一匹がひとつになって、○を失った少年が代わりに○を得る。その辺に一番ぐぐっときました


最後に売り上げナンバー1の『借りぐらしのアリエッティ
祖母の屋敷で静養することになった少年が、そこに隠れ住んでいた小人の少女と出会うというストーリー
スケール的にはとてもミニマムなお話ですが、小人の視点から見れば一軒のお家にもひとつの宇宙が広がっている。そんな感覚がとても好みな世界でありました
少年とアリエッティの非常にはかない触れ合いも深く心に残りましたでやんす
監督の米林氏、わたしと同い年なんですよね・・・ いろいろ言われてますけど、その歳でこんだけ丁寧なお話が作れるなら十分ご立派だと思います(自分と比べるな(^^;)


というわけで『トイ・ストーリー3』も含めた今夏のアニメ、どれも思春期の少年が人外の存在との関わりにより成長していく話ですが、美術背景、コミュニケーションの描写ともに四者四様で興味深かったです。はい