sga8512009-12-20

昨日は横浜まで映画を観にいってきました。ほかのどこにも寄らず、本当にただそれだけという(笑)


目的はジャック&ベティという劇場で行われていたヴィターリー・カネフスキーの特集上映
二ヶ月前には名前すら知らなかった方ですが、東京での興行が大盛況という噂を聞き、興味がむくむく。そんで公式サイトを見てみると「三本だけ撮って、消息を絶った」みたいなことが書いてありました。その辺につよく惹かれるものを感じ、代表作『動くな、死ね、蘇れ!』も面白そうな話だったのでわざわざ行ってきたのでした


その一本目『動くな、死ね、蘇れ!』は89年の作品(だけどモノクロ)
スターリン体制化のソ連にあって、無軌道なイタズラを行う少年ワレルカの物語
特に印象に残ったのは、人々のぎゃんぎゃんとつんざくような叫び声。まるで叫んでいないと死んでしまうと言わんばかり


続けてその続編である『ひとりで生きる』も見ました。こちらはカラー
前作から数年後、成長したワレルカの痛々しい青春模様が描かれます
こちらは前作よりもやや静かですが、その静けさが孤独感を盛り上げているような、そんな映画


鑑賞しながら、幼少時代の記憶を掘り起こしたり、自分と故郷(いまもいるけど)の関わりについて考えたりしておりました
早く大人にならざるをえず、どん底を這い回るワレルカの姿には、西原理恵子の名作『ぼくんち』とも似たものがあります


あとこの二本には抑留されている日本兵がしばしば登場します。そんでこの兵士たちがまるで『ビルマの竪琴』みたくよく歌う。異国の風景に突然「炭坑節」や「よさこい節」が流れ出すのはなかなかにシュールでありました


特集上映にはもう一本、ドキュメンタリー『ぼくら、20世紀のこどもたち』があるのですが、こちらはその日のスケジュールに入っておらず断念。ワレルカを演じた少年のその後が描かれているということで、こちらも見たかったんですがね〜


それにしても今年はよく横浜に行きました。全部で五回? でもまだ地理は全然わかりません。この日も帰り道思いっきり迷ったし・・・