またしても、見たり読んだりしたものの感想を手短に


一昨日コミック『バットマン:ロング・ハロウィーン』読了しました
上下あわせて6千ナンボもしたので上巻はちびちび味わうように読んでましたが、下巻はほぼ一気読み。ああもったいない
映画『ダークナイト』に多大な影響を与えたと言われる作品
バットマンが活動し始めてから二年目。ハロウィーンを皮切りに、「ホリデイ」と名乗る怪人物が、祝日ごとにマフィアの顔役たちを次々と殺していくという事件が発生。バットマンはホリデイの正体をつかもうと奔走しますが・・・・


このコミックの変わったところは、肝心の「ホリデイ」が「手しか出てこない」というところですね。どうも登場キャラクターの誰かがホリデイに扮しているらしい。その正体を推理するのが楽しみの一つであります
もう一つの特色はノワール物でもあるということ。ゴッドファーザーへのオマージュ的な部分もいろいろあります。被害者は決まってマフィアの一族なんで、検事などは「ざまみろ」みたいなことも言ったりするんですが、法を重んじるバットマンとしては、やはり捕まえねばならない相手なのです


ミステリーとして、ノワールものとしてあまりにも完成されているがゆえにバットマンの影が薄いのがなんかアレですが、まあ細かいことです



んで、今日は藤沢まで片道一時間かけて韓国映画『チェイサー』を見てきました。「こいつ、映画ばっかり見てるよな」と思う方もおられるかもしれませんが、そうです
この『チェイサー』は前々から「すごいすごい」と評判を聞いていて、ずっと見たかったんですが、近場ではやってくんないし、遠くで見るにはスケジュールが合わないしで、公開から約三ヶ月遅れでようやく捕まえました


主人公はなんとデリヘル嬢の元締め。仕事に行った女の子が戻ってこないということが続き、行方を突き止めようとすると、どうも彼女たちが連続殺人鬼に捕まったらしい・・・ということがわかってきます
最初の動機は金のためだった主人公ですが、次第にそれ以外の何かに突き動かされて、夜の街をかけずりながら犠牲者を探します


評判どおりすごい・・・というか、熱い作品でした。焼けどしそうなくらいヒートな映画。その熱さは高揚感を覚えさせるとともに、人間性を失わせる危険さもはらんだ「熱さ」です
一方でとことん観客に容赦ない映画でもありました。韓流映画ってときどきこういうのありますよね・・・ 『JSA』とか『シルミド』とか『グエムル』とか
ラストシーンにミジンコくらいの「救い」を感じたのはわたしだけでしょうか。「いや、あれはそういうんじゃないだろ」という方もおられましょうが、わたしはそう思いたいのですよ


劇場を出た時の日の光がやけにまぶしゅうございました



すっかりうちのめされたので、さわやかな動物小説でも読んで癒されよう・・・と思い、帰りの電車でジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』を読み始めたのですが・・・ これまた生きるか死ぬか血みどろヴァイオレンスなお話でした(笑)


お屋敷育ちのセントバーナード+シェパードのバックが、手癖の悪い使用人に売り飛ばされて、アラスカで橇犬として働くことになり、次第に野性に目覚めていく・・・という話
重要人物・・・じゃなくて重要動物と思われた犬がコロっと死んでしまったり、文章には極力感情が排されていたりと、かなりハードボイルドな世界。犬ものというと人間との愛を友情描いて「さあ! 泣いて!」というものがほとんどなので、その点異彩を放っています。ま、この小説にもそういう要素が全くないわけではないんですけど


全体的に約150ページというコンパクトな長さですが、かなり中味の濃いい150ページです。また、それまでドライに徹していたお話が、最後の最後でファンタジー大全開。この辺などは素直に感動してしまいました


んー あー んー ロマンですねええええ


本店に大河ドラマ天地人』のネタ記事八回目と
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2009/07/post-8ee1.html
映画『マン・オン・ワイヤー』の記事UP
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2009/07/post-abbf.html