夜更けの電話 あなたでしょ 話すことなどなにもない
(杏里 『オリビアを聞きながら』)


今年は「漫画家マンガ」の当たり年だったような気がします
まず島本和彦先生の青春を描いた『アオイホノオ
次いで先週と先々週のヤングマガジンに掲載されたちばてつや先生の『トモガキ』
40年間隠され続けていたちばせんせいの秘密が明らかにされた、すごい内容でした
編集者の股間にふざけて「電気あんま」をしかけていた先生は、逆襲にあって頭から窓ガラスに激突
顔中にガラス片が突き刺さりまくり、生きるか死ぬかの大手術をすることになります
大臼歯などはガラス片と激突して真っ二つに 「あと数センチずれてたら」『あしたのジョー』も『おれは鉄兵』も生まれなかったのだなあ、と思うとぞっとします
お話はここからトキワ荘の面々との感動秘話へとつながるのですが、それはまた本家ブログの方にでも


そして先ごろ終了した小林まこと先生の『青春少年マガジン1978〜1983』
基本的にうっかりちゃっかりした内容なんですが、終盤になるにつれ、漫画家という職業の恐ろしさとか、二人の友人に関する悲しいエピソードなども出てきます
そのひとつがやはり漫画家であった大和田夏樹さんとのお話。一時期は羽振りが良かったものの、精神的に追いつめられていった大和田氏は小林さんによく夜中に電話をかけてくるようになります
いい加減我慢が限界に達した小林さんは、「夜中に電話をかけてくるのはやめろ!」と怒鳴りつけ、電話を切ります。以後、二人は疎遠に
それから少したって、小林さんは「大和田さんが自殺した」という報せを受けます。「あれが最後の・・・言葉かよ〜っ!!」と慟哭する小林さんの姿はあまりに悲しいものでした


んで、わたしんとこにもたま〜に夜中に電話がかかってくることがあります。ここんとこなかったんですが、一昨日の晩、久々にきました。かけてくるのは大体従姉妹。本当はわたしの母か姉と話したいみたいなんですが、母は夜中の電話は知らんぷりを決め込み、姉はいま海外なので、わたしにお鉢が回ってくるわけです
彼女は複雑な家庭事情のせいか精神的にデリケートなところがあり、たまに泥酔しては「あたしどうしたらいいの〜」と泣きついてきます。すんごいよく出来たダンナさんがいるのにどうしてなんだろ


「おれ、夜中からの仕事だから正直この時間帯は勘弁してほしいんだよね」
と言いたいところでしたが、つい先述した小林先生のお話を思い出してしまいました。そんなわけで朦朧とした頭で「んー そうだねー 大変だねー」とえんえんと付き合うことに
もう・・・ 寝不足はお肌の大敵なのに! ストレスたまっちゃう!


憂さ晴らしのために、今日は晩に『ブーリン家の姉妹』でも見てくることにします


本店に吉田秋生のマンガ『海街diary』の記事UP
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2008/11/diary-27e8.html