sga8512008-02-19

先日はお休みを利用して都に映画を観に行ってきました
一本は『レンブラントの夜警』 「夜景」だとずっと思ってたのは内緒です
上映開始が10時30分だというのに、電車が駅についたのが28分(笑)
幸い劇場のある高島屋は駅のホームからバッチリ見えたので、ドアが開くなり全力疾走
なんとか予告編の真ん中くらいで中に入ることができました
劇場の名はテアトルタイムズスクエア。一応ミニシアターなんでしょうけど、全然ミニじゃないです! でかいです!
その前部ブロックの一番後部あたりで鑑賞


財産も名声も絶頂期だったレンブラント。彼は市警団から集団肖像画の注文を受けます。折りしも彼らに関するスキャンダルを耳にしたレンブラントは、気の進まない仕事だったことも手伝って、彼らの非道を絵の中に隠して伝えようと企みます。


ネットで「難解だ」という意見を良く聞きました。たしかに突っ走った表現も幾つかありますが、大筋はそんなに難しいもんではないと思うのですが
要するに反骨心というか、腹の底にいろんなむしゃくしゃしたものを抱えていた男が、それを御しきれずに破滅していく話ですよね。わたしはそう解釈しました
一枚の絵が一人の画家を光から影に追いやっていく。なんともロマンチックな話じゃあーりませんか
実際とはだいぶ違うところもあるようですが、ここはグリナーウェイさんの妄想に付き合ってみる、くらいの気持ちで観られたらよいかと


上映終了後後ろを振り返ったら、恐ろしいほどに中高年の方ばかりでした
♪ 東京にも おったんだ こんなに ジジババが


もう一本は渋谷で『潜水服は蝶の夢を見る
こちらは二度目となるシネマライズで鑑賞。前のときは一階席だったので、今度は二階席で。こちらはカップル、女の子同士、オタク(オレ含む)と若い客層が目立ちました


雑誌『ELLE』の編集長ジャン・ドミニクはある日突然ロックトイン・シンドロームという難病に侵される。意識はしっかりしているのに片目の瞼しか動かせないような状況に、ジャンは一時は絶望するが、やがて立ち直り、ウィンクで本を書くことを決意する


予告で観たときは「こんな暗い話みたあない」と思ったんですが、みなさんあまりに絶賛されるので、気が変わりまして(^^;)。実際ジャンさんはわりと早く立ち直られるので、あんまり暗いといういう印象はありません。いやはや大した精神力です
まばたきだけでどうやって本を書くかというと、療法士の人に順々にアルファベットを読み上げてもらい、書き留めたい文字のところで「パチッ」と目をつぶるわけです。携帯電話でメールを打つのにちょっと似ていますが、この携帯にはボタンが一個しかありません。ジャンにも療法士にも恐ろしいほどの根気が求められます
後半に入るとこの作業、見ているだけでもけっこう疲れるのですが、二人がその何千倍もの労力を払ったであろうことを考えると、本当に頭が下がります


豊かな想像力があったから、ジャン・ドミニクは狂気の底に落ちることを免れました。してみると、想像力・思考力は人間に与えられた最後の武器、あるいは砦と言えるかもしれません。自分は体は自由であっても、精神面では彼ほどに自由だろうか・・・・ などとガラにもなく思ったりしました


二つの映画に共通していたこと
・やさぐれた中年オヤジが主人公
・フランス語圏が舞台
・「目」に重要な意味がある
・ひとつの作品を仕上げるのがメインのストーリー
・主人公も大変だが、支える女性たちも同じくらい大変
・人間絶望してもエロ衝動だけは残る
以上


そのまま渋谷でブログ友達とご飯食べてお茶飲んで帰りました
帰りの電車で書店で買った吉田秋生『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』を熟読
いや〜〜〜〜〜〜〜〜あ、
ええ話ですわ、これ
おすすめです


画像はテアトルタイムズスクエアからの風景
本店に映画『L change the WorLd』の記事UP
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2008/02/l_change_the_wo_a76d.html